カップ麺と褪せた背表紙

人間的であったり非人間的であったり、一般的であったり限定的であったりするようなことを、不定期に書いていきます。

真の陽キャは性格もいいというのはマジ

フリーターです。ひらたてです。

 

俺は今ゲーセンのアルバイトスタッフとして働いてるんですが、この仕事が楽しいのなんのって。マジでコンビニなんかと比べ物にならないです。あんなクソみてえな仕事と比べたら天国よ。

 

俺が働いてる店は、都内某所、山手線のド中心あたりにある店舗です。元々ゲーセンでバイトしたいという思いがあり、それを友人に話したところ、「俺の働いてる店ならたぶんいい感じだよ」みたいなふうに誘ってくれたので面接に応募、そしてトントン拍子で採用と相成りました。

 

これは幾度もアピールしているんですが、この会社は本当にホワイトな企業で、フロアに立たされる前に座学研修を受けて前提の知識を脳に叩き込まれてから実際の勤務が始まるという優しさ。急な体調不良でも事情を話せば休ませてくれるししっかり休憩も労働日数も管理されている。社員も残業がかなり少ない。マジですごい。

 

というわけで2019年1月2日が初フロアで、そこから既に約5ヶ月働いています。少なくとも「ぺーぺーの新人」ではなくなった俺から見たゲーセンの仕事(俺が働いてる店の)についてお話します。

 

俺が働いてる店は、店舗規模は中型。埼玉県民の人は大宮のスピカくらいの規模をイメージしてもらえるといいと思います。セガ池袋GIGO(8階建てのビルまるごとゲーセンの店舗 マジでデカいよ)とかとは違い、テナントビルのワンフロアが店舗の大きさです。

 

基本的に人数は、平日の早番(開店前~17時半)であれば社員1+スタッフ2、遅番(17時~閉店)であれば社員1~2+スタッフ3~4で回します。俺が入っているのは早番なので、お客さんの数は夜に比べたら少ないです。平日であれば中高生が学校終わる頃に人が増えるくらいで、それ以外は基本空いてます。

 

休日はもう少し人数が増えます。特に早番は平日の倍くらいの人数になって、チラシ配り(UFOキャッチャーの無料券)等をしてお店の前を歩いている人たちを呼び込みます。立地が結構な観光地なので、休日は家族連れや若者の友人グループ、外国人観光客なんかもいっぱいいます。そのぶんお客さんの数がすごく多くなるので、それに対応するため人数が増えるわけです。でもお客さんに何故かカップルは少ない。

 

さて肝心の、ゲーセンスタッフの業務なんですが、働いてる店では大きく分けて2種類になります。1つは「プライズ」、もう1つは「ビデオ・メダル」です。うちの店はメダルゲームコーナーが小規模なのでビデオ担当といっしょくたになってますが、たぶん普通の店ならここはそれぞれ分けられると思います。

 

この2種類に分けてそれぞれ説明します。

 

まず1つ目の「プライズ」

と言ってもこっちは会社の守秘義務とかであんまりガッツリとは喋れません。正直ちょっとふわふわした説明になるかもしれないけど許してほしい。それと、特に普段ゲーセンに来ないような人からしたら夢が壊されるようなことを言うかもしれません。あくまでゲーセンも商売なのでこれも許してほしい。

 

プライズというのはつまるところUFOキャッチャーにまつわる仕事のことです。英語でprizeは景品・賞品といった意味で、クレーンやら何やらを操作して景品を落としてゲットするゲームのことをゲーセンでは「プライズ」と呼びます。

 

プライズ側が主にする仕事は、「補充・リセット」「アテンド」「設定」の3種類です。

 

「補充・リセット」、こちらは簡単で、UFOキャッチャーの筐体の中にはアーム(ぐわしって開いて景品を掴むやつ)が届かない奥に、プレイとは関係ないけどたくさん同じ景品がディスプレイされていますよね。あれは実際にお客さんの手に取ってもらう景品です。フィールド(アームで景品を動かすエリアのこと)にある景品をお客さんが落としてゲットしたら、次に来た人がプレイするためにそこに新たに景品を置き直さないといけないですよね。それを、奥に並んでいるものから1つ取って置き直すのが「リセット」です。あるいはお客さんが何回かプレイしたけれどゲットできずに途中で諦めて移動してしまった。そういった場合に、動いた景品を最初の位置(=初期位置)に戻すこともリセットです。ちなみにこの初期位置がちゃんとしていないとマジで動きづらかったり、もしくは景品が大きく転がって全然言うことを聞かなかったりするので非常に重要なものです。

そして、奥に並んだディスプレイから景品を取り出すと、ディスプレイが乱れて美しくなくなってしまいます。筐体の中以外にも更に在庫がある場合、それを持ってきて並べ直すこと。これが「補充」です。

つまり「補充・リセット」というのは、UFOキャッチャーの中を、よりお客さんにプレイしてもらいやすい状態に保つ仕事のことです。

 

そして「アテンド」、これはなんぞやという人もいるかと思いますが、UFOキャッチャーをやって、結構な回数プレイしてるのにゲットできない時、スタッフに話しかけられたことはないでしょうか。きっとあるよね。

そう、お察しの通り「苦戦しているお客さんの手助けをすること」がアテンドです。どうアームを使ってもにっちもさっちも動かない位置というのは存在するので、そういった状況になっていたり、あるいは景品が転がってしまって元に戻してほしかったり、そういった場合にスタッフは対応できます。

また、あまりにお金をたくさん吸われていると少し可哀想になってくるので、そういった人には簡単な位置に置いてあげて、ちょっと触るだけで落ちるというような状態にしてあげたりすることもあります。

ですが、世の中には図々しいパリピというものがいるんですよ。どんなパリピかというと、お店に入ってきてグループ内でどの景品がかわいいとかこれなら取れそうだとかこんなのぼったくりだとかひと通り騒いだ後、全く1度もプレイしていないのにスタッフを呼び「取れるようにしてください!」だのとおっしゃられるパリピなんですね。述べた通りアテンドとはあくまでも「苦戦しているお客さんの手助け」であり全く慈善事業ではないので、そんなパリピにくれてやる景品などないわけです。1人にそれを許してしまったら全員にやってあげないといけない。そんなことをしてたら大赤字になっちまうので、「ゲットに近づいたように見えて」「実際のところ全く何も進展していない状態」に置いてあげて、「いかに置き直した位置が惜しい状況であるか」「プレイの上手い下手に関わらずどれほどチャンスがあるのか」を伝え、口八丁手八丁でお客さんにより多くの100円を使ってもらうようにするわけです。もちろん、相応の額を使ってもらったらそのぶんの景品は取らせてあげるので、その差別は心配しなくて大丈夫です。

なので、どうしても欲しい景品があったら、まず500円くらいをだいぶ引き伸ばしてプレイして、店員に調子乗ってるなと思わせないように声をかけてアテンドしてもらうといいかもしれない。それと「もう○○円も使ってるんですよ〜」というのは言わないほうがいいです。店員からすると「そうなんだ。頑張ってね」としか思わないので。特に1000円も使ってないのに2000円くらい使ったとか言う人はマジでやめた方がいいです。いくら使われているのかはすぐに確認できるので、「こいつ嘘ついてんじゃん図々しいな」って悪印象を与えて終わりなので。

 

「設定」に関してはあんまり言えることはないです。ごめんね。でも特に人が多い時間帯に働いてる人は設定やったことない場合が多いとも思います。あんまり設定のことに文句言っても、すぐに変えられるわけではないのでどうかそれは諦めてほしい。

ちなみに何をするかを大まかに言うと、アームの大きさを変えたり、フィールドに設置してあるバーの位置を変えたり、掴む動作をする時のパワーを変えたりします。実はパワーは強ければいいというものでもなくて、楽しく遊ぶ上で適切なパワーにしているはずです。あんまり強すぎると景品がゴロゴロ転がるだけになっちゃうので。

 

で、2種類目の「ビデオ・メダル」ですが、こっちは俺的にはマジで楽しい。しかも忙しくないので落ち着いています。音はうるさいけどね。ビデオゲームというのは、戦場の絆みたいな体感ゲームや、三国志大戦みたいな大型カードゲーム、鉄拳みたいな格ゲー、湾岸ミッドナイトみたいなレースゲーム、maimaiみたいな音ゲー、その他etc...という感じです。メダルゲームについては説明必要ないよね。

 

「メダル」ですることは、マシンの中のメダルが切れた時に補充、詰まった時にそれの解消、メダルバンクというメダルを預けておけるサービスの登録、といったところです。それ以上のことはあんまりないのでかなり簡単。

 

「ビデオ」ですることは、筐体、特にプレイする際に触れる場所の清掃、カードプリンターがついているゲームにはカードやインクの補充、そして定期的に行う動作チェック、それで発見された不具合や、あるいはお客さんから指摘があったもののメンテナンス、といった感じです。カード補充はそこそこ慣れが必要だし、メンテナンスに関しては時間がかかるものもあって、あんまり簡単とはいかないですが、カード切れや不具合があることは少ないので、基本平和でいいです。お客さんとのコミュニケーションも少ないのであんまり疲れないですし。

で、俺はこの「メンテナンス」が大好きで、分解して汚れを落としたり、あるいは部品を交換したりするのがめっちゃ楽しいのです。こういう機械いじりとか好きならマジでオススメです。自分のやっているゲームを常に良い状態に保てるというすごい利点もあります。

 

こんなところがゲーセンの業務です。他にもちょっとした雑用とかあるけど、まぁほぼこんなところです。

 

というわけで、ゲーセンのゲームが好きで、口八丁手八丁でパリピをあしらうことが得意な人、ぜひゲーセンで働いてみてね。マジで楽しいよ。ちなみにパリピはこっちから盛り上げるとばんばんお金使ってくれるので実はいい人たちです。