カップ麺と褪せた背表紙

人間的であったり非人間的であったり、一般的であったり限定的であったりするようなことを、不定期に書いていきます。

【ネタバレ無】ヱヴァ新劇3作が無料公開されているのでエヴァとは何かを解説します

無理です。

何度も見ている僕でも何なのかさっぱり分かりませんので内容に対する解説はできません。

というわけでエヴァンゲリオン超初心者向けの、シンジ君でもわかるネタバレにならない程度の各作品に対する説明とかをします。このブログ内には僕の偏見や間違った理解が多数存在している可能性があります。ご了承下さい。

2020年4月20日から4月30日までの期間限定で、株式会社カラー公式YouTubeチャンネル及びスマートフォンアプリ「EVA-EXTRA」にて、ヱヴァンゲリヲン新劇場版の3作が無料公開されています。


エヴァンゲリオンってなに?

庵野秀明監督が作ったアニメです。

汎用人型決戦兵器(とどのつまりパイロットが搭乗するタイプのロボ)(エヴァンゲリオンのことをロボって言うとコアなファンは怒るよ、怒る理由は本編を見て確かめよう)であるところのエヴァンゲリオン、そのパイロットとして主人公の碇シンジ君14歳が選出され、迷いや大人からの重圧、他のパイロットとの人間関係などと戦いながら、どこからかやってくる謎の生命体「使徒」とも戦うというヒューマンドラマ×SFアクションです。

例えばガンダムなどのロボアクションは「それぞれの正義のためにロボ同士で戦う」作品ですが、エヴァは「既に退廃している地球で、謎のめっちゃ強い外敵から地球を守るためにわけもわからず戦わせられる」という作品です。ロボ同士のバトルが見たかったらそれには応えられないと思います(まぁそれが全くないってことはないんだけど)

期待をめっちゃ裏切るアニメです。良くも悪くも。



作品多くない?

そもそもは1995年にテレビ東京系列で放送開始された夕方のTVアニメ全26話に端を発します。その当時は内容の難しさが裏目に出て今ほどの人気を博さなかった(でもTVアニメで視聴率7%アベレージはすごい)んですが、それでもだんだんと人々の注目を集め、最終回の視聴率は10%超えを記録します。
ただそこで、話題になってるからと言って最終回だけ見ちゃった人たちが大問題でした。TVシリーズ最終回は、意味わからないエヴァの中でも屈指のマジ意味がわからない回(後述の新劇Qと同じくらい意味わかんない)でして、みんな何コレとなっちゃうわけです。ここまで全話通して見てきた人ですら理解不能な回ですから、みんななんとか理解しようと過去の話を見返したがります。そこで再放送に注目が集まります。それが1997年のこと。

1997年のTVシリーズ再放送は、放映されることが決定した映画「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」に合わせて行われたもので、この映画はTVシリーズ第壱話〜第弐拾四話の総集編によって成る「DEATH」と、第25話前半がリメイク(とは言うもののTVシリーズから枝分かれしたほぼ完全新作)された「REBIRTH」の2部構成の映画です。今これを見ようとするにはBlu-ray Boxを買うしかないのですが、その必要はありません。何故かと言うと……(後述)

次いで公開された映画は「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」。こちらは前作「シト新生」において第25話前半までしか描かれなかったREBIRTHを完結させた作品です。つまり、TVシリーズから枝分かれした第25・26話の完成品。
これが公開されたのは1997年7月、シト新生公開の約4ヶ月後のことです。

そして更に公開されたのが「REVIVAL OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)²/Air/まごころを、君に」。
Air/まごころを、君に」は、「シト新生」REBIRTHの完成品だと先に述べましたが、それに付随されて公開されたこの作品の「DEATH(TRUE)²」とは、「シト新生」DEATH部分のリメイク版(正式にはこれはリリメイク版で、リメイク版としてはこの作品公開の少し前にWOWOWで放映された「DEATH(TRUE)」が存在しているけど無視していい)です。
この1本の映画は、「DEATH(TRUE)²」と「Air/まごころを、君に」との2つに分けられて映像ソフト化、Netflixでの配信などがなされています。

つまり、しり切れとんぼで終わっちゃった「シト新生」をちゃんと作ったものが「DEATH(TRUE)²」「Air/まごころを、君に」というわけです。

で、とりあえずここまでで「新世紀エヴァンゲリオン」は完結しています。


じゃあ今YouTubeで公開されてる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:」シリーズってなんだよっていうと、うーん、なんていうんだろう、庵野は元々「リビルド」「再構築」っていう言葉を使ってたけど、うーん。
初心者向けに言うと「設定の一部を同じくしてストーリーも踏襲してるけど実際のところ全然違う話になっちゃってるし新機体も新キャラも出てくる全く新しいエヴァの話」ですかね…。全4部作の劇場作品からなるストーリーです。これで伝わっただろうか。

ちなみにヱヴァ新劇場版が世に出てからは、TVシリーズとその続きによって構成される「新世紀エヴァンゲリオン」は、20世紀に公開された作品であることや、新劇場版では「世紀」という語句が使われていないことに由来して「旧世紀版」などと呼ばれて区別されます。

というわけでTVシリーズの放送から12年経とうとしている2007年9月に放映されたのが前編「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」。ヤシマ作戦(ティンパニの音が特徴的な有名なBGMのシーン)までを描いた作品で、こちらは旧世紀版第壱〜第六話の内容になぞらえて作られていますので、初心者にとっては旧世紀版を再び見せられている気分になると思います。コアなファンからしたら全く違う作品なんですが。

そして2008年の春に公開すると予告しておきながら実際に公開されたのは2009年6月、新劇場版第2作目、中編「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」。これは旧世紀版で言うとアスカ(背中が透けてるめっちゃスケベなプラグスーツを着る「あんたバカぁ?」で有名な女の子)が登場する第八話あたりから第拾九話ゼルエル戦あたりまでを描いている形になるのですが、旧世紀版とは大幅にストーリーが変わり、新劇場版が面白くなってくるところです。まさに序破急の「破」。正直破はめっちゃ面白い。

破がめっちゃ気になるところで終わり、みんなが今か今かと待ちわびた、当初の予定では2008年初夏に公開と言われたものの結局2012年11月の公開となった、新劇場版後編「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」。旧世紀版の話数で説明することは不可能なまでに物語は分岐して、3年待たされた視聴者はおろか、作中で知らんうちに14年経ってた主人公シンジ君すらも置いてけぼりにする驚異の意味不明ストーリー。1度見ただけではおよそ何が起きたのかすら理解不能なその構成に、ファンもにわかもみんなドン引き。庵野秀明ここにありと世界中に見せつける衝撃作。

Qの公開から8年弱、当初の計画からは丸12年遅れ、それでもやっと2020年6月に公開できそうな感じになってたのに件のウィルスの影響でまた公開未定の延期になってしまった新劇場版4部作の完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」。たのしみ。


という形になります。理解してほしいのは、作品数が多いように見えるけど、映像作品としては「旧世紀版」「新劇場版」の2系統に分類できるということです。
ガルパンよりは多いけど、とあるシリーズよりは少ないですよ。



どれから見ればいいの?

新劇場版は「序」→「破」→「Q」の順で見てください。

旧世紀版は第弍拾四話以降が「TVシリーズ版」と「Air/まごころを、君に」に分岐します。TVシリーズ全26話を見て、そのおさらいとして「DEATH(TRUE)²」を見て、分岐したストーリーの「Air/まごころを、君に」を見るという形が良いと思います。
ただ、「DEATH(TRUE)²」を見れば誰でも第弍拾四話までの話が理解できるかというと全くそんなことはない、総集編としての役割を果たしてないんじゃないかみたいな内容なので、TVシリーズを第弍拾四話まで思い切って見返してから「Air/まごころを、君に」を見てもいいかもしれません。
何にせよ、TVシリーズの正当な全26話のほうから先に見て、その後に「DEATH(TRUE)²」と「Air/まごころを、君に」を見てほしいです。

僕が最初に見たときは
TVシリーズ全26話
②DEATH(TRUE)²
Air/まごころを、君に
④新劇場版 序
⑤同 破
⑥同 Q
の順でした。

が、今YouTubeで見られるのは新劇場版の3作ですし、新劇場版だけしか見なくてもエヴァンゲリオンの魅力は十二分に伝わると思います。ストーリーもとりあえずはひと通りの順になっているし。

オタク的には「旧世紀版が前提にあってこその新劇場版」と思ってしまいがちなんですが、新劇場版と旧世紀版とは全く別の作品であるとも言えます。なのでまずは、無料で見られる今のうちにでも、新劇場版の、序と破だけでも見てみてください。

旧世紀版は諸般の事情から作りが雑だったり間延びしていたりします。静止画1枚だけで2分近く沈黙するシーンすらあります。そういうヤバさは新劇場版にはないし、映像も新劇場版のほうが美麗です。初心者に安心して進められるのはどちらかと言えば新劇場版のほうかもしれません。
それでエヴァの呪縛に取り憑かれたら、旧世紀版も見てみてください。Blu-ray Boxは¥18,000で買えるし、TSUTAYAでもDVDが借りられるはずだし、Netflixでも配信がされています。



で、エヴァンゲリオンってなに?

わからん。


けれど、こんだけ意味のわからない作品なのにも関わらず、世代を超えて多くの人が魅了されているという、凄まじい作品であることは確かです。是非、気軽に視聴できるこの機会にエヴァンゲリオンに触れてみてください。マジですげえから。



www.eva-info.jp
www.youtube.com
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION 1.11 YOU ARE (NOT) ALONE. - YouTube
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION 2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE. - YouTube
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION 3.33 YOU CAN (NOT) REDO. - YouTube