カップ麺と褪せた背表紙

人間的であったり非人間的であったり、一般的であったり限定的であったりするようなことを、不定期に書いていきます。

麻雀初心者向け講座

麻雀を全く知らないそこの君! この記事を読んで麻雀とは何をするゲームなのか理解して遊ぼう!

麻雀を知らない人でも麻雀っていうゲームが何かは知ってると思います。あのガチャガチャ音を立てる四角いちっちゃい駒みたいなやつを使うドンジャラみたいなやつです。

その麻雀で使う四角いちっちゃいやつを「牌(ハイ or パイ)」と呼びます。

麻雀とは、自分の手札としての13個の牌と、そこに追加される1つの牌とを組み合わせて「役」を作ってアガろうぜ! それを何回か繰り返して点数競おうぜ! というゲームです。
やることのニュアンスとしてはトランプゲームのファイブドローポーカーに近いかもしれない。ただポーカーと違うところは、役なし(ブタ)だった時にマジで何にもないことと、役をいち早く作り上げた人が勝ちだということです。


麻雀経験者の方へ
この記事は初心者向けなので、チートイや国士などの例外的な和了及び槓子の存在については一切説明していません。また、分かりやすさを優先した解説をしているので、厳密には間違いであることもそれがさも真実であるかのように語っています。



牌の種類
ワンプレーの麻雀で、全34種・各4個の合計136個の牌を使用します(4人麻雀の場合。3人だとまたちょっと違うけど基本のルールは4人なので今回はそちらを紹介)。そんなにたくさん種類を覚えられない? いいえ問題ありません。感覚はトランプ+αみたいなものですから。

牌には大きく分けて2種類あります。字牌数牌の2種です。一旦字牌のことは忘れて、数牌の話をします。
数牌の中には3つの系統があり、それぞれ萬子(マンズ or ワンズ)・筒子(ピンズ)・索子(ソーズ)です。トランプで言うところのスート♠️♥️♣️♦️みたいなものです。麻雀では、それぞれのスートに1から9までの9種類の区別があり、よって、数牌は全部で27(=3×9)種類あることになります。1~9のひと回りを1セットのスートとしてそれらが3種、さらにそれら全てが各4個ずつ。それが数牌です。1,2,3,...,8,9といって数字を表す牌なので、数牌です。

一方で字牌のほうは少し複雑で、これはトランプには無い要素と言えるでしょう。数牌は全部で7種類。それらがやっぱり各4ずつ。牌にデカく漢字1文字が書かれている牌と、何も書かれていない白い牌が字牌です。7つしかないのでそれぞれ名前を教えてしまいますが、東・南・西・北・白・發・中の7種です。その7種の字牌にも厳密には2つの系統があるのですが、それはこの記事では説明しません。


プレイ中に目指すところ
プロローグで、13+1個の牌を使って役を作ると言いました。ここでは一旦、役とは何なのかについて忘れてもらって、プレイヤーが目指す形を説明します。
「13+1」という含みがちな表記は次項で説明しますが、その14個の牌を使って我々が目指す形は
2コ+3コ+3コ+3コ+3コ
です。2コのほうを雀頭(ジャントウ)、3コのほうを面子(メンツ)と呼びます。
牌を3つでワンセット、それを4つ作って、さらに牌2つの雀頭も作って、それができたらやっと形になったということです。

ではその牌3つ、ワンセットの「面子」とはいったい何か。面子には2種類あります。順子(シュンツ)刻子(コーツ)です。
順子は読んで字の如く「順に並んでいる牌」のことです。
そして刻子は「3つ集めた同じ牌」のことです。

それぞれ詳しく見ていきます。順子のほうは、①の項で説明した数牌に限定される面子で、同じスートの中で例えば1,2,3とか、6,7,8とか、数字の順通りに揃えたものになります。8,9,1というような9と1を跨いだものは不成立です。簡単に言うと順子とは、同じスートで連続する3つの牌を揃えた面子のことです。

刻子は「3つの同じ牌を揃えた面子」です。例えば筒子の1を3つ揃えました、とか、あるいは萬子の6を3つ揃えました、とか。同じ牌が3つ手札にあるというのが刻子です。

そして飛ばしていましたが、雀頭(2コのほう)は、同じ牌を2つ揃えたものです。
ということで、プレイヤーはゲーム中に
雀頭(同一の牌を2つ)+面子(連続する牌を3つ or 同一の牌を3つ)×4」
という形の手札を作っていくのです。


プレイの流れ
プレイ開始時にシャッフルされた牌から4人に各13コずつの牌が配られてスタートです。配られた時点では手札はグチャグチャでしょうから、それらを整った2+3+3+3+3へと持っていくことを目的とするわけです。とはいえ初めに13コずつしか配られないんですよね。それじゃあ②の項で説明したように14コの牌を使ってを作るというのはどうするのかというのをこの項で説明します。

4人のプレイヤーで順番に、山に積まれている牌から1個引いて(この1個引く動作を「ツモ」といいます)、自分の手札から1個捨てる(この捨てる動作を「打牌」といいます)、を繰り返していきます。もちろん引いたばかりの牌をその場で捨てても構いません。捨てる牌はオープンにして自分の前に出すことになります。それを何周も繰り返して、必要な牌と要らない牌とで取捨選択をして、形を整えていって、ラストの1個を入手したら勝ちというわけです。

麻雀とドローポーカーとの1番の違いは、ポーカーは要らないぶんを捨ててから新しいカードを引くのに対して、麻雀は先に引いてから要らない牌を見極められるという点にあります。
字牌では順子を作れないと先述しましたから、手札の中に1つだけある種類の字牌は、それをに組み込むのは望み薄だということがわかると思います。追加で2個同じ牌を引き込まないと面子にできませんからね。それから同じスートの近い数字がない1つだけの数牌も同様の理由で望み薄ですよね。こういったふうに「今の手札から判断して最終的に使わなさそうな牌」から優先して捨てていくのが一般的なプレイスタイルです。

そしてゲームを進めていくと、あと1つ当てはまる牌が来ればが完成するという状況になりますよね。そのラストの1個に関しては、自分で引いてアガる(これのことは「ツモ上がり」といいます)ほかに、他のプレイヤーが捨てた牌に対して「ロン」(それ俺のラスイチだからもらうねという意味)と宣言して、それを奪ってアガる(これを「ロン上がり」といいます)こともできます。
形を完成させる14個目の牌は、引いて(あるいは他のプレイヤーから奪って)自分の手札からは捨てることをせずに、「常に手札としてある13個の牌+ラスト1コの得たばかりの牌」の14個でにするというわけです。

ツモした人に対しては、それ以外のプレイヤーが揃って点数を支払いますが、ロンをされてしまうとその牌を捨てたプレイヤーが点数の全額をアガったプレイヤーに支払うことになるので、ゲーム終盤では自分がアガることを諦めて他のプレイヤーにロンされなさそうな牌を積極的に捨てていくことも、時には必要になるのです。


役とは
②③では「2+3+3+3+3」を作ると言ってきましたが、プロローグでは「役を作ってアガる」と言いました。
そして、「役」というのは「2+3+3+3+3」の形のことではありません。「2+3+3+3+3」が作れても、「役」になっていないことのほうが多いのです。
では役とは何かと言われると少し難しいのですが、言葉にするならば「特定のパターンを満たす構成で2+3+3+3+3が作れていること」と言えばいいかと思います。
もっと直感的な、ニュアンス的な意味で言うと「なんとなく手札が綺麗な形してたら役」です。この考え方は初心者には難しいかもしれないけれど。この記事の後ろのほうにこういうの綺麗でしょという例を少し乗せておきます。
そして、麻雀というゲームでは、「2+3+3+3+3」の形が作れていても、その状態で満たしている役が存在しなければアガることができないのです。

役はその成立する難易度によってスコアが決まっていて、またアガった時に複数の役が同時に成立していればそれらは複合して点数が合計されます。点数の計算に関しては、初心者のころは計算ができる人にお願いしておけばいいでしょう。オンラインゲームなら計算はシステムが勝手にしてくれますし。
一般のルールだけでも役の種類は30個以上あると思うのでそれをこの記事で説明することはしません。役の種類については役一覧を調べてください。プレイ初心者のうちは手元に役一覧を置きながらプレイしたほうが好ましいと思います。

けれど、初心者がプレイする際にこれだけは目指しなさいという役をこの記事でも1つ解説します。
その役は立直(リーチ)と言って、手札が門前(メンゼン:鳴いていないこと。詳細は次項にて)で聴牌(テンパイ:あと1つ当てはまる牌が来れば2+3+3+3+3の形が完成するという状態のこと)になったら、プレイヤー自身の意志と行動で「付与」できる役です。
役とは「なんとなく手札が綺麗な形をしている」ことだと説明しましたが、この「立直」はあまり綺麗だとは言えないような状態の手札でも、プレイヤー自身の意志と行動で役の付いた手札にしてしまえるということです。あるいは役というのは複数個が同時に成立すればそれら全てがカウントされ、アガった時の点数が高くなりますから、既に役が付いている手札でも、更に立直を付与して高得点を狙いに行く場合もあります。
その行動とは、自分のターンで牌を引いた後、聴牌であれば、打牌しながら「リーチ!」と宣言して点棒(テンボウ:自分の持ち点を表す棒のこと。ポーカーにおけるチップ)を1000点ぶん場に出すことです。出した1000点はアガれれば返ってきます。他の人がアガったら、アガった人に奪われてしまいます。
立直を宣言してしまうと、そこから先は自分の手札を入れ替えることができません。ラスト1個の牌を自分で引くか他のプレイヤーが捨ててくれるかするまでは、ずっと引いては捨て引いては捨ててを繰り返すことになります。
門前で聴牌になったら必ず立直しなければならないというわけではありません。あくまでもプレイヤーの意志で立直するかどうかを決められます。


鳴き
③の項では、ラスイチの牌なら他プレイヤーから奪えるというような書き方をしましたが、実はラスイチでなくても奪うことは可能です。人から牌を奪うことを「鳴く」と言います。
鳴きには種類とそれぞれの条件がありますが、揃って言えることは、「あと1つ該当する牌が来れば面子(②を参照)が1セット完成する」時、つまり3牌使って作る面子のうち2牌を既に手札に持っている時に行えます。他のプレイヤーが捨てた牌に対して、それが欲しいという時に声に出して宣言することで鳴きを発動できます。
鳴いた牌とそれを含む面子は、他のプレイヤーから見えるようにして、卓の自分から見て右手前にオープンに置くことになります。
また、鳴くことによって自分の手札に牌が1つ増えるわけですから、順番にツモしていく時と同じように、牌が1つ増えた後、自分の手牌の中から1つ捨てることになるわけです。

そしてその鳴きの種類のうちひとつめは「ポン」です。ポンは刻子を作るための鳴きで、これは牌Aが他プレイヤーから捨てられた時に、牌Aを2つ手札に持っていれば「ポン!」と言って合計3つの牌を刻子とすることができます。

鳴きの種類ふたつめは「チー」です。こちらは順子を作るための鳴きで、これは牌Nが自分の1個前の順番のプレイヤーから捨てられた時に(ポンは他プレイヤー全員に対して可能ですが、チーは使える相手が限定されるというわけです)、自分の手札に「牌N-1,N+1」「牌N-2,N-1」「牌N+1,N+2」の2枚セットのうちどれかがあれば「チー!」と言って合計3つの牌を順子とすることができます。

鳴きの種類みっつめに「カン」がありますが、説明しません。これは初心者はやらんほうがいいよとだけ言っておきます。

鳴きを使えば簡単に手札を2+3+3+3+3の形に持っていけますが、鳴くことにはデメリットもあります。鳴いて作ったオープンにされている面子はそのゲームが終わるまで自分の面子として確定してしまう(鳴いて作った面子は「やっぱりこれいらないや」と牌を捨てることが不可能になる)ことや、鳴いた面子が無いこと(これを「門前」であると言います)が成立条件に含まれる役(前述の立直もこれです)が多数あるということです。つまり、最終的に目指す形を考えずに鳴いてしまうと2+3+3+3+3の形は作れても役がひとつも付与できずにアガれないということが起きてしまうかもしれないのです。
なので初心者のうちは一切鳴かずにいるほうがいいかもしれませんね。
ちなみにこれは初心者が勘違いしがちな要素ですが、字牌に対しては、ポンはできてもチーできません。②の項で順子は数牌に限定されると書いてあるのがそういうことです。それから、三人麻雀ではポンはできてもチーは行えないのが一般的です。


ゲームの流れ(大枠)
ここまでは「最初に牌が配られてプレイヤーが誰かアガるまで」をワンゲームとして説明してきました。ですがゲームの特性上、どのプレイヤーもアガれない場合があります。それは山に積んであった牌を全て引ききってしまった時です。そこまでゲームが回っても誰もアガれなかった場合、全プレイヤーで倒牌(手札を公開する)して、聴牌しているプレイヤーがいればその人たちの勝ちということで点数の移動があり次のゲームに移ります。

そう、麻雀は1ゲームで終わりではありません。この「最初に牌が配られ」て、「プレイヤーが誰かアガる/山に積んであった牌を全て引ききる」までの一回りを「1局」という数え方をします(厳密には違うんだけど)。
そして、その1局を、事前に決めておいた回数まで繰り返して勝敗を決します。
東風戦であれば4局、半荘戦であれば8局、といった具合です。
超ざっくりとしか説明していない(なんなら分かりやすさを優先して間違ったことを教えている)ので、詳しく知りたい場合は各自で調べてみてください。


そのほか知っておいてもいいかもしれない要素
名前だけ箇条書きで羅列しますので、各自で調べて知っておいてもいいかもしれません。あんまり色々書いてしまうと初心者向けの説明としてどうなのかという話になってきますので、このブログ記事では解説はしません。
・ドラ、裏ドラ、赤ドラ
風牌(自風、場風)
・カン
・王牌
断幺九タンヤオ)←立直と並ぶくらい成立させやすい役


こういう形綺麗でしょという例
④の項でちょっと書いたやつです。別にここの⑧項は読み飛ばしても構いません。
萬子をM、ピンズをP、索子をSで略記しています(M5=五の萬子)。
・【役の名前】(【読み方】)
【成立条件】
【成立例(分かり易いように2+3+3+3+3となるように表記)】


混一色(ホンイーソー/ホンイツ
一種類のスートと字牌のみで手札が構成されている。
東 東   P1 P2 P3   P5 P5 P5   P8 P8 P8   西 西 西


三色同順(さんしょくどうじゅん)
三種類のスートで同じ数字の順子を作る。
M9 M9 M2 M3 M4 P2 P3 P4 S2 S3 S4 南 南 南


一気通貫
一種類のスートの1~9で三順子を作る。
M1 M1   S1 S2 S3   S4 S5 S6   S7 S8 S9   P4 P5 P6


四暗刻
鳴き無しで四面子を刻子のみで構成する。
南 南   P2 P2 P2   P7 P7 P7   S6 S6 S6   S8 S8 S8
等々……



かなり噛み砕いて説明したので、麻雀がどんなことをするゲームなのかは分かってくれたんではないかと思います。このゲームの面白さはプレイすればするほど強く感じられてきますから、興味を持ったら是非気軽にやってみて下さい。はじめは経験者に考え方を伝授されながらやってみると、きっとより理解が深まります。そしてここに書いてあることだけじゃ分からないことがあったら、もっと詳しいサイトなどを調べてみてください。より奥深く麻雀を楽しむことができるはずですよ。