カップ麺と褪せた背表紙

人間的であったり非人間的であったり、一般的であったり限定的であったりするようなことを、不定期に書いていきます。

You are (not) creative.

しばらく前のことになるが、別の(今ほぼメインとして使っている)Twitterアカウントのほうで、とある人物をリムーブした。本当ならブロックしたかったところではあるけれど晒されて界隈での印象が悪くなっても嫌だったので、そうはできなかった(どうにも年齢層の割に子どもっぽい人が多い界隈なのである)。

 

便宜的にそのリムーブした人物のことを「Q」と呼ばせてもらうことにするが、そのQはなかなか特徴的というか、誤解を恐れずに言えば過激な発言をする人間である。例えば「高卒で就職するような奴はカス」だとか「中卒に人権はない」だとか、まぁ簡単に言うとQは学歴コンプであり、また学歴厨でもある。

 

もちろん僕はQのその思想、考えについて否定したりはしない。なんなら共感さえする。それは僕がフリーターだからこそ思うことで、学歴というのは本当に大事なことだからだ。僕の父は勤め先で一部人事について携わっており、毎年のように家に履歴書を持って帰ってきて酒を飲みつつそれを捲っている。そこで僕はまた、毎年のように父に聞くのだ。今年は何か良い人や面白い人はいるか、と。そして、これまたやはり毎年のように父はこう言う。「○○大学出身の〜」「今××大学の大学院に〜」と。大学というのはとても重要で、その名前だけで企業への合否が決まってしまうようなこともザラにある。いい大学、名の知れた大学に入学するという事は今後の人生を大いに助けてくれる最良の選択であることを理解している。

 

僕のことを知っている人間ならばお分かりであろうが、僕はQのように過激な発言をする人間のことが好きだ。面白いと思う。現在の僕の社会的立場を馬鹿にされるような発言をされても、それは正論だと思うし嫌いになったりはしない。

 

では何故、Qのことを嫌いになったのかと言うと、とある一つの発言が全てである。その発言とは「売れてない作家、画家、役者、音楽家に人権はない」というものだった。

 

その発言は僕の逆鱗に十二分な刺激を与えた。僕は創作的な活動を否定する人間を許せない。それには売れる売れないなどは関係ないのだ。もちろん生活していく上では、その創作による売上だけでは食べていけない場合も多くあるであろう。しかし彼らは、いつか日の目を見ようと必死であがき、その傍らで生活するための仕事もしている。その努力を否定することは決して誰にも許されぬことだ。

 

そして今売れている作家、画家、役者、音楽家、彼らはかつて(その期間の長短に差はあれど)皆例外なく売れてない作家、画家、役者、音楽家だったのだ。創作を行う人間の芽をつみとるようなアンチクリエイティブな発言はやはりどうにも許せない。Qの普段のツイートからして、ゲームもするしマンガも小説も読むような人間であることが把握出来たが、そのクリエイティブなモノを享受しておきながら、クリエイティブに従事しようとする人間を否定する態度は決してあってはならない事だと気づいていない。

 

クリエイティブな活動をするということ、そしてそれで金銭を得ようとすることがどれほどに難しいことだろうか。それが分かっていないQに対して、大きな嫌悪と憤慨を抱いたのだ。

 

ただ、Qに対して僕はこの怒りをぶつけ説得をする自信がなかった。きっとQは理解してくれやしないだろうと決め付け、諦めてしまっていた。それこそが僕の犯したクリエイティブに対する冒涜である。クリエイティブな職を目指していながら、アンチクリエイティブな立場に身を置いてしまったのだ。これではQとやっている事が変わらない。世のクリエイティブなモノに従事している人たちに対し申し訳が立たない。

 

このブログをここまで読んでくれた貴方達は、どうかアンチクリエイティブな言動をしないように身を正してもらいたい。クリエイティブを否定しないでもらいたい。